最近の地震エコー発生状況

2017-12-21 2011年3月11日M9.0の地震の前兆と考えられる89.9Mhzの地震エコーの2013年3月までの経緯。

2010年6月28日からエリモ観測点で観測され始めた地震エコーは異常に長く継続して2011年2月に入ると次第に減衰し3月にはわずかになった。3月9日にM7.3が発生するとこれに続く余震活動が異常に大粒が多くG-R公式のb値が0.5となったので「前震」であると予想した。
本震M9.0が発生して福島第一原子力発電所が爆発してから、再び地震エコーが次第に活発になり2013年3月末(私の退職時)まで継続していた(いくつかの隙間は欠測)。本震以降に観測された地震エコーについての解釈は二通り考えられた。1) 再び大地震が発生する。2) 原子力発電所から放出された放射性物質によって出された放射線が大気分子をイオン化させ電子密度を高くしたために電波散乱が定常的に発生し、地震エコーと見分けられない現象をおこした。M9に相当する地震エコーの継続時間は約8ヶ月であったので、もしも2011年11月以降も大地震が発生せず、地震エコーが継続している場合は2)がもっともらしいことになる。図では2010年から2013年3月までの地震エコーの日別継続時間を示す。またM7以上の余震が発生した時期を示してある。地震エコーの増減と大余震の発生は無関係のように見える。

福島県立医科大学は本震発生後に起きた福島第一原子力発電所の爆発まで大気中のラドン濃度の計測を行っていた( 長濱、2011 )。これによるとラドン濃度の時間変化は2010年6月ごろから増加して12月頃から減少している。このラドン変化を地震エコーの変化とを比較した図を示す。全体の傾向は大変よく合致している。この結果、地震エコーの発生原因は地表の帯電や電離層の変動ではなくラドン噴出にあると結論されるに至った。その後のラドン計測は残念ながら法律改正により行われなくなった。